自動車のルールは、常に改正されているのは知っていますか?
最近では、携帯電話の「ながら運転」や、あおり運転等の「妨害運転」に対する罰則が厳しくなり、免許の取消処分の対象にもなりました。
また、2021年10月(2021年4月からの予定でしたが、10月からの延長になりました)から新たにナンバープレートの表示義務が明確化され、罰則が厳罰化されます。
今までは問題なくても4月以降は、通用しなくなる取付方法もあるので、車屋の私が解説します。是非、最後までご覧ください。
ナンバープレートの法改正について
自動車のナンバープレートに対しての法律変更は過去にも行われました。過去には、ナンバーの汚れ防止や、カスタムパーツとしてナンバープレート前面を被せるカバーが流行しました。
しかし、カバーの中には着色が濃く数字や文字が読み取れない商品やオービス撮影対策に赤外線を反射、吸収する悪質な商品も出回り、視認性の悪化や犯罪行為に使用され問題になり、新たな基準が施工されています。
平成28年4月1日以降ナンバープレート前面に被せるタイプのカバーは、カバーの色に関係なくすべて禁止です。
他にも、ナンバーを回転させて縦向きに取り付けたり、折り曲げての取付も禁止です。もし違反すると、行政処分:基礎点数点2点。自動車登録番号標の表示の義務違反で50万円以下の罰金(道路運送車両法 第109条第1項)になります。
2021年10月1日以降はさらに厳しく
※1 角度(上下向き・左右向き)、フレーム、ボルトカバーの基準は、平成33年4月1日以降に初めて登録・検査・使用の届出がある自動車について適用する。
平成33年3月31日までに登録・検査・使用の届出 がある自動車については、自動車の運行中番号が判読できるような見やすい角度によること、番号を被覆せず、脱落するおそれがなく、自動車の運行中番号が判読できるフレーム又はボルトカバーを 取り付けることができる。
※2 ナンバープレートに取り付けたときの当該ナンバープレートの外縁からフレームの内縁までの長さ
※3 ナンバープレートに取り付けたフレーム・ボルトカバーの当該ナンバープレートの表面から突出している部分の厚さ
これまで「番号を見やすいように表示しなければならない」とだけ定められていたナンバープレートですが、新基準により位置や角度が数値で明確に規定されました。
分かりやすく説明すると、今まではナンバープレートに極端な角度が付いていても、見えていれば問題なかったのですが、2021年4月以降はナンバープレートごとに位置や角度の数値が明確になります。
他にも、今まで決まりがなかった、ナンバーを固定するボルトやボルトカバーに対しても新たに基準が定められました。
新基準全面適用になる2021年4月1日以降登録の車両は、ほぼナンバーの角度を変更する事は出来ません。2021年10月1日以前の登録は適用外になるのですが、見づらい位置であれば違反になるのは間違いありません。
ナンバーの角度
ナンバーの角度については、見た目の判断ではなく数値での判断になります。取付に角度が付いていれば、取り締まりの対象になるので注意が必要です。
また、バイクのショートフェンダーカスタムに多いサイドナンバーですが、回転させないで横向きでの取付であれば問題ありません。ナンバー灯は必ずナンバープレートを照射する加工が必要です。
また、リフレクター(後部反射器)は車体中央に赤色の物を取り付ける必要があります。
交通事故でナンバープレートが少し曲がっていたままでも、修正もしくは交換しなければ、取付角度の不備や折り返しの扱いで、整備不良になる可能性があります。
意外と多いリフレクターの不備
車検場等でバイクのユーザー車検を行っている方によく見かけるのが、リフレクターの付け忘れです。
カスタムでリアフェンダーをカットした場合、リフレクターも切り落としてしまうため、必ず後付けで取り付ける必要があります。
リフレクターにも基準があります。
- 取り付け位置は、車体の中心であり、後部から見通せる必要がある。
- リフレクターの中心点が地上から1.5m(150cm)以下、下部の縁部分は地上から0.25m(25cm)以上に取り付ける事。
- リフレクターの形は、文字や三角形以外のみ。
- 反射面の大きさは、10平方cm以上必要。
- 色は赤色のみ
社外品のリフレクターには、大きさが10平方cm以下の車検非対応の商品もあるので確認が必用です。
ナンバーの位置について
上の画像はナンバーを、純正の位置から移動して上下左右の角度は0°で取付、ナンバーフレームを取り付けいますが車検には問題ありません。
しかし、2021年10月以降登録の車両の場合、違反になるので注意が必要です。この場合ナンバープレードの移動は何も問題ありません。ナンバーフレームが違反になってしまうのです。
同じタイプのナンバーフレーム上面幅ですが、10㎜以下に対して、約27.5mmなので違反になってしまいます。
フロントのナンバープレートの位置を上下左右にオフセットする分には、新規制問わずに変更しても、クルマのナンバープレートが見やすく表示されていれば、問題ありません。
ただし、ナンバープレートを外してダッシュボードの上に置くのは違法になるのでやめときましょう。
ナンバープレートのボルトカバー
ナンバープレートを固定するボルトに対しても、基準が定められました。
- 直径が28㎜以下であって番号に被覆しないもの
- 厚さが9㎜以下( ナンバープレートに取り付けたフレーム・ボルトカバーの当該ナンバープレートの表面から突出している部分の厚さ)
- 脱落するおそれのないもの
よくボルトの上に両面テープなどで貼り付け被せる、「ナンバーボルトキャップ」がありますが、ネジ止めによる固定ではないので違反になる可能性が高いです。
また直径が28㎜以下の必要があるので、ペットボトルのキャップ(直径約30㎜)を被せるのは違反になります。
ナンバーボルトカメラは今後どうなる?
ナンバーボルトの基準には、人気のナンバーボルトタイプの後付バックカメラも対象になります。
ナンバープレート固定ネジ穴を使用して取り付けるので、車体の加工が最小限で目立たないので、人気の商品ですが大きさに問題があります。
大きさが35×30×25mmと大きいので、2021年4月以降登録の車両の場合に取り付けると違反になります。
2021年3月31日までに登録した車両場合は、規制前になるので問題ありません。
最後に
手軽にカスタムする手法として、ナンバープレートのドレスアップがありますが、度が過ぎるとナンバー隠ぺいになってしまいます。
今までは「見やすい位置」という曖昧な定義でしたが2021年10月1日より新基準が適用されます。取り付けの「位置」や「角度」が決まり、目視ではなく測定による取り締まりや車検も始まります。
法律が変わったことで、ナンバープレートカバーやプレートの角度を付けるなどのグッズは、ほとんどの取り扱いを終了しました。違反な取付でも気が付かなかったでは許されません。違反点数2点の罰金50万以下になってしまいます。
これを機に、ナンバープレート取付状態を見直してみるのも良いかも知れません。