最近暖かくなって、ドライブ日よりなって来ましたね。しかし、暖かくなるとともに問題になってくるのが車内の悪臭です!
車は密閉された狭い空間なので臭いの根源が発生すると一気に広がってしまいます。
気温が低いときは、特に気にならないのですが、暖かくなると何故か湧き出す悪臭、せっかくのドライブが台無しです。
手遅れにならないためにも、車屋の私が臭い対策の知識を伝授いたします。ぜひ最後まで御覧ください。
車内の臭いの原因は?
車内が臭くなる原因は複数あり「タバコのヤニ」「ペットを含む体臭」「エアコンのカビ」「食べ物の食べ残し」がほとんどです。
これらの臭いは、運転者は慣れてしまうので分かりにくいのですが、同乗者の方には過酷な環境になってしまいます。車の臭いがきついと車酔いの原因にもなります。また臭いがあるだけでクルマの査定価値も下がってしまいます。
悪臭は、ただ掃除をするだけでは臭いを消し去ることは出来ません。ポイントを押さえて掃除する事が重要なのです!
それぞれの臭いの原因と簡単な対処方法を解説していきます。
染み込んだ汗や汚れ、香水の臭い
汗や皮脂汚れは、悪臭の原因になります。臭い防ぐつもりで芳香剤を使う方がいますが、芳香剤は臭いが混ざりさらなる悪臭になってしまいます。
汗などがシートに染み付くと細菌が増殖し、悪臭を放つようになります。一度染み付いた臭いは、なかなか取れず蓄積され消臭スプレー等では取れない頑固な臭いになってしまいます。
また、雨の日に運転するとフロアマットが濡れますね、完全に乾けば問題ないのですが、生乾きだったりすると悪臭を放つようになります。
布シートは皮やビニールシートよりも臭いを吸収しやすいので注意が必要です。
車内の汚れには水拭きが効果的!!
クルマに染みついた汚れは固く絞った雑巾で拭くだけで、ある程度落とすことができます。
シートをはじめ、エアコンのスイッチやハンドル、レバー類等、素手で触る場所もには、手アカが付着し油でテカテカなってしまいます。見た目きれいでも、意外とホコリや汚れ等が積もっています。
運転席周辺を雑巾で拭くだけなので、3分もかかりません。普段から拭く癖をつけておけば、洗剤を使う必要もありませんし、乾拭きでも十分なので簡単ですね!
ただし、自動車内装は電子部品の集まりなので、濡れた雑巾で拭くのは故障の原因なのでNGです。また本革シートも脂や水に弱いので水拭き厳禁ですt。革専用のクリーナーで掃除しましょう。
ペットの臭い
ペットを乗せてドライブすると、どうしても臭いが付いてしまいます。原因は、皮脂やおしっこ、唾液や抜け毛が車内に付着してしまうのが主な原因です。
ペットに限らないですが、唾液やおしっこにはたくさんの細菌が含まれています。これらを放置してしまうと一気に増殖し、臭いがきつくなります。
特に抜け毛は車内の隙間に入り込んでしまったり、フロアマットに絡みついてしまうと臭いが移ってってしまう事で臭いが残ってしまいます。
掃除しても臭いが残るのは、菌の増殖と取り切れない抜け毛が主な原因です。
ペットカバーで痕跡を残さない
抜け毛はコロコロやブラシで除去しないと、いつまでも臭いが残ります。ペットの臭い対策は、臭いの痕跡を車内に残さないのが鉄則です。
画像のようなバスタブ型であれば、抜け毛散乱を最小限に留めておくことができます。また、粗相をしてしまっても素材が防水素材なので、染みにならず簡単に洗い流す事ができます。
値段も¥3,500前後とリーズナブルでオススメの商品です♪
ペットの乗車位置に注意!
道路交通法ではハンドル操作が妨げられる場所、視野を遮られてしまう場所にペットを乗せて運転すると「乗車積載方法違反」となるので、隔離する必要があります。
違反した場合、普通車で6000円、違反点数1点が加算されます。
また、窓からペットが顔を出す行為も違反です。
道路交通法第七十条では「車両等の運転者は、当該車両等のハンドル、ブレーキその他の装置を確実に操作し、かつ、道路、交通及び当該車両等の状況に応じ、他人に危害を及ぼさないような速度と方法で運転しなければならない。」
違反すると、反則金9000円、違反点数2点の加算になります。
車内飲食による食べこぼし
テーブルのない車内で飲食すると、どうしても食べこぼしが発生しやすいです。
食べこぼし自体も臭いの原因ですが、放置してしまうとダニや細菌、カビが発生し臭い以外の健康被害が発生する可能性があるので注意が必要です。
特にから揚げ、ポテトチップスなど油っぽい食べ残しは油がマットなどに写ってしまいシミになってしまう恐れがあるのと、手に付いた油でハンドルやスイッチ類に触れる事で、自ら臭いをまき散らすことになってしまいます。
食べ残しを掃除しても臭いが取れない場合は臭いが移ってしまっている可能性があります。
食べ残しは掃除機一択
食べこぼしには掃除機で吸い出し、拭き掃除するのが効果的です。
しかし、車内は狭く複雑な形状なので通常の掃除機では、隅々まで掃除できません。そこでオススメなのが充電式のハンディ掃除機です。
ハンディ掃除機であれば、コンパクトでコードレスなので狭い場所にも手が届きます。また、引っかっけて内装もを傷つけてしまったなんて事もありません。
車内の食べこぼしには掃除機が有効です。腐って悪臭を放つ前に吸い出してしまいましょう。
私も現役で使っているamazonで購入した格安ハンディクリーナーです。¥4,000円以下でLEDライト付!アタッチメントも豊富で重宝してます。特にロングノズルがシートの隙間に丁度良くオススメです。
拭き掃除用タオルは、車屋御用達のコストコのマイクロファイバータオルが、36枚入りで大体¥2,000位でコスパ良くとっても便利です。吸水性が抜群で洗車後の拭き上げや車内の清掃、ハウスクリーニングにもあらゆる掃除で大活躍します。
昔は、コストコ会員しか買えなかったのですが、今はamazon等で買えるようになりました。
灯油をこぼしてしまったら・・・
車内に灯油をこぼしてしまう事ありませんか?縦長ポリタンクは保管する際は場所をとらず便利なのですが、不安定なので倒れやすいのが欠点です。
クルマのカーペットなどに染み込んでしまうと、洗ったり拭いたりしてもなかなか臭いが取れません。
灯油の主成分の「炭化水素」はガソリンなどに比べ揮発性が低くため、臭いが残りやすいのです。
そこで役に立つのが、市販のエタノール(アルコール)です。エタノールには灯油を溶かして浮かす効果があります。
エタノールをタオルに染み込まして、こぼした場所を叩き出しします。これを数回繰り返し最後に乾拭きすれば、臭いをとる事ができます。
画像の高純度(C2H6O)99.5vol%の無水エタノールがオススメですが。消毒用アルコールや除去アルコールスプレーでも消臭可能ですが効果はおちます。
アルコールは揮発性が非常に高いので火気厳禁です!!必ず換気のいい場所で作業しましょう。
エアコンのカビ
クルマのエアコンをつけた瞬間、吹き出し口からカビや埃の臭いがすることがありませんか?
原因は、エアコン内部の部品であるエバポレーターに結露によって発生したカビとフィルターの目詰まりです。
エアコンの仕組みは、簡単に説明するとエアコンガスをコンプレッサーで圧縮する事で、液化しコンセンサーで冷やします。冷やした液体をエバポレーターに吹き付ける事で気化し熱を奪う事で、熱を奪います。そこにブロアモーターとよばれる扇風機で風を発生させる事で冷たい風が発生します。
温度差を利用するエアコンのエバポレーターは、結露が発生するのでカビが発生しやすいのです。
家庭用のエアコンではフィルターやフィン部分の掃除は比較的簡単に掃除出来ますが、クルマの場合、助席の奥にユニットがあるので簡単に掃除出来ません・・・
エアコンには洗浄&フィルター交換
エバポレーターから発生するカビ臭は洗浄しかありません。しかしエバポレーターに直接アクセスできないので、そこで活躍するのがクルマ専用のエパポレーター洗浄剤です。
エバポレーター洗浄剤には2種類あり、空気導入口から注入する方法とエアコンの排水口から注入する方法があります。値段はそれぞれ¥2,000~¥4,000円位です。
導入口から注入する場合はダッシュボードなどを、バラさないと作業出来ませんがドレンからの注入であれば部品の取り外し作業がありません。車体下に潜る必要がありますが、部品を取り外す作業がないため比較的簡単に作業ができます。
除湿でエアコン多用する6月位に施工し、半年から1年周期での掃除が理想的です。
またクルマのエアコンには、空気清浄機に使用されているような使い捨てのフィルター(旧車を除く)が付いてます。
フィルターに汚れやホコリが付着したままだと、目詰まりを起こし風量が落ちてエアコンの効きが悪くなってしまいます。フィルターは消耗品なので定期的に交換しましょう。
エバポレーターとフィルターが臭いの根源なので、この2点を改善出来れば快適な車内環境を取り戻すことが出来ます。
タバコ臭
タバコには「ニコチン」や「タール」他にも「アンモニア」など沢山の有害物質が入っており、煙によってこれらが付着しいわゆる「ヤニ汚れ」で悪臭となるのです。また煙なので車内全体に臭いが染みついてしまいます。
車には沢山のシートやフロア(床)、天井には沢山の布製品が使用されています。布生地は織物であるため、プラスチックや革に比べ表面が凸凹しており表面積が大きく、その分臭いが付着しやすく内装も黄ばみやすいのです。
タバコ臭を取り除く一番の方法は水で洗い流すのが一番良い方法です。タバコの有害物質の殆は、水溶性なので消臭スプレーより洗濯が一番効果的なのです。
しかし衣服に付いたタバコ臭は洗濯すれば臭いがとれますが、シートやフロア、天井等を洗うのは非常に難しいです。そのため車の車内にはタバコ臭が残ってしまうのです。
けむりには煙
臭いの中で一番厄介なのがタバコ臭です。そのためカー用品店等では様々なタバコ消臭グッズが販売しています。タバコは煙なので車内全体に充満してしまいます。
簡易的なタバコの消臭剤には置き型消臭剤、スプレータイプ、スチームタイプ等色々あります。
置き型タイプ | スプレータイプ | スチームタイプ | |
値段 | ◎ | 〇 | × |
消臭範囲 | 〇 | × | ◎ |
持続性 | 〇 | × | ◎ |
消臭力 | × | ◎ | ○ |
このように、タバコの消臭グッズには得意、不得意があるので使い分ける必要があります。その中でもお勧めなのが「WAKO’S AR-K エアーキャタライザーキット」です。
置き型消臭剤やスプレータイプは臭いの元を取り除くわけではないので、効果が落ちると臭いが再発してしまいます。また消臭範囲が狭いため車内全体を消臭するのは難しいのです。
しかしスチームタイプであれば、エアコンを利用し全体に消臭剤が行きわたるので、車内全体の消臭が可能です。
WAKO’Sのエアーキャタライザーキットは\6,000円前後と消臭剤としては高額ですが、エアコンフィルター交換と同時に作業を行いうのでエアコンとタバコの消臭を同時に行えるメリットがあります。
最後に
今回、臭いの種類と簡単な対策について紹介しました。クルマは中々換気が出来ない超密閉空間です。臭いの問題は大小問わず必ず発生します。
近年スメルハラスメントという言葉が使われるようになるなど、臭いの問題が大きく取り上げられる機会が増えてきました。
今回紹介した、簡易的に消臭でとり切れない時は車屋さんで行っているルームクリーニングをお勧めします。
特にタバコに関しては喫煙者と禁煙者では臭いの感覚が大きく異なりますし、毎日運転している車だと臭いに慣れてしまってしまいます。また、臭いはデリケートな問題でもあるので誰も指摘してくれません。
知らずの内に、同乗者に不快な思いをさせてしまわないように定期的な消臭対策を行いましょう。